二つの取っ手
小学生の時に何度も読んだ「すてきなケティ」(クーリッジ・作 山主敏子・文 ポプラ社)の中で、主人公のおてんばな女の子ケティが怪我をして、部屋でじっとしていなければいけない時に、お見舞いに来た憧れの従姉妹ヘレンから諭される場面。
この言葉がとても好きで、時々ふっと思い出す。
なんにでもいい面はあるのよ。
世の中のすべてのものごとには二つの取っ手がついているの。
知らなかった?一つはらくな取っ手、これを持てばものごとはらくに軽くあがるし、苦しい取っ手をにぎれば、手はいたくなるし、ものごとはらくにあがらないの。
この苦しい取っ手をにぎろうとするひとが、よくいるものなのです
もう20年以上前に読んだ本だけれど、時々思い出して読んでみたくなる。
そして、大人になっていろんな経験をしたからこそ、その言葉の意味が実感を伴って解る。
らくな取っ手を選ぶのは、自分の考え方次第なのかもしれない。
必ず、二つの取っ手があるのならば。
今日食材の買い物をした帰り道、荷物が重くて「あー、しんどいなぁ」と眉間に皺を寄せながら思った。
そうではない。そうじゃなかった!
一人分ではなく、二人分だから重いんだということに気づくと、なんだか嬉しい気分になった。
母が入院していた時は、自分の分だけだから軽かったことを思い出したのだ。
今日は、うまい具合に「らくな取っ手」をつかめたのかもしれない。
全くの余談だが、この本、当時はジャケ買いだった(笑)
イラストがとてもかわいくて気に入ったので。子供の頃なんてそんなものです。
<
- 作者: クーリッジ,山主敏子,青山みるく,Susan Coolidge
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 1986/11
- メディア: 新書
- クリック: 4回
- この商品を含むブログ (2件) を見る