明けない夜はない
色んな人が、きっと言っている座右の銘的な言葉だと思うけれど、私の母もこの言葉が大好き。
二年前、癌を宣告されても、転移を宣告されても動じない強い人だ。
主治医から、「もっと、真剣になって!(苦笑)ほんと、なんか他人事みたいだもんね(苦笑)」とよく言われる。
そして、私に「真剣にって、どう言ったらいいんだろうね。『え…オプジーボ使うんですか…本当に大丈夫なんですか!!!』とか熱く尋ねたりした方がいいの?(苦笑)『転移…』って肩を落として落ち込んだりとか?(苦笑)」と言ったりするので「先生も言ってたけど、あまりにも母が冷静だからじゃないの?(苦笑)別にそんな演技いらないよ(苦笑)」と返す私も私なのだろうか。
副作用も、「仕方ない」と受け入れ乗り切った母を私は、この上なく尊敬するし、「私もこのくらい強かったらなぁ」とも。
「考えてどうにかなることなら、考えるけど、考えても仕方ないことは考えない」が彼女のモットーなので、私もところどころそういう面もある。
残念ながら、どちらかというと、くよくよ考える父に似てしまっているので、そこはちょっと損した気分。でも「こういうとこ父似(笑)」と嬉しくなったりもする。
明けない夜はないを疑似体験できる本
そういうわけで、私はくよくよする。
「もう私にいいことなんてないし、お先(さっき変換したら『尾崎』と出た。私打った覚えもないんだけれど…)真っ暗だ!」と思う事も多々ある。
そんな時は
「よあけ」(ユリー・シュルヴィッツ作・画 潮田貞二 訳)を開く。
文字はほとんどない、絵本。事件も起こらないし、教訓めいた話もない。
淡々とおじいさんと孫のキャンプの様子が言葉少なく綴られている。
そこが、またいいところなんだろうと思う。
暗い静かな夜からの最後の「よあけ」見たさに、最初から丁寧に私も一緒にキャンプしている気分でめくる。
(余談だが、この「めくる」というのがやっぱり私は「本」だからこその余韻だと思っている)
「あー!夜が明けたー!」となんだか嬉しく、ホッとする。
そして、「そうだった。明けない夜はないんだよね」という安堵感に包まれる。
時々、そうやって「よあけ」を実感して、「明けない夜はない」の言葉も心に刻みつつ、明日を迎えている。
職探しからの「よあけ」も必ず来る。明日も、諦めず探そう。そして見つけたらすぐ動こう!
- 作者: ユリー・シュルヴィッツ,瀬田貞二
- 出版社/メーカー: 福音館書店
- 発売日: 1977/06/25
- メディア: 大型本
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